包み隠さず精神科

現役精神科医が精神医療の内情を、包み隠さず話します

不眠を薬物療法以外で治す方法

不眠は生活の質が下がる大きな原因である。近年は、夜勤などが必要な業務も増えており、生活リズムの乱れが目立つ。
最も簡便かつ確実な治療は薬物療法なのだが、薬の副作用もあるし、いわゆる睡眠薬であるベンゾジアゼピン系は依存と耐性の問題も出てくる。

薬以外でなにか不眠に対処する方法はないだろうか。
あるにはある。
が、簡便ではない。少なからず努力や工夫が必要だ。それでも薬を使わずなんとかしたい人は、参考にしてもらいたい。


1.太陽を浴びる
よく言われることだと思うが、本当に大切だ。薬一粒分ぐらいの効果があると言って良いだろう。脳内の概日リズムを整えるのに太陽は必須なのだ。意識して日の下に行こう。体に昼を教えてあげよう。

2.運動する
これもよく言われることだが、薬一粒分ぐらいの効果がある。人は疲れるから、眠るのだ。疲れてもいないのに眠れない。バテるほどは必要ないが、多少疲労を感じる程度には運動したい。

3.寝る前の明るい光を避ける
夜にコンビニへ行くだけで、睡眠の質が下がるという研究報告がある。スマホやテレビも同じことだ。寝る1時間、出来れば2時間前から明るい光は避けて、脳に寝る準備をさせてあげよう。

4.寝る前に頭を使わない
癒やしの副交感神経。戦いの交感神経。睡眠には副交感神経が必要だ。なるべく興奮するような、戦いの神経は抑えなければいけない。切り替えがうまく行かないと、眠れないのだ。切り替える時間を作ってあげよう。

5.眠たくなるまで布団に入らない
6.の入眠儀式に通じるが、布団は寝る場所だと脳に教えてあげよう。頭は思っているよりアホなのだ。布団の上で遊んでいたら、布団は遊ぶ場所だと勘違いしてしまう。スマホを触っていると、スマホを触る場所だと勘違いしてしまう。寝る場所なのだ。眠たくなってから入るよう心がけよう。

6.入眠儀式
寝る前に温かい飲み物を飲む。ストレッチをする。興奮しなければなんでもいい。ともかく、それをしたあとにかならず眠る何かを作ろう。頭を切り替えるスイッチを作ってあげるのだ。

7.6時間も眠れば十分
歳を取ると睡眠時間は短くなっていく。赤ちゃんのときのように、一日中眠る必要は、もうない。いい歳なのだから、気持ちを入れ替えよう。6時間も眠れたら充分だ。もっと短くていい人だって沢山いる。無理に長く寝るのは諦めよう。

7.遅寝、早起きを心がける
ありがちなミスだが、なかなか眠れないので早めに布団に入ってごろごろする。実に良くない。無駄に脳が休まってしまい、結果として睡眠の質が下がってしまう。思い切って、遅く寝よう。そして早く目を覚まそう。ギュッとまとめて質のいい睡眠をとったほうが、かえって満足度が高い

8.リズムは起きる時間で作る
起きる時間を固定しよう。その方がリズムを作りやすい。それに合わせて、寝る時間を決めよう。全く眠れていなくても、ともかく決めた時間に起きよう。はじめは眠たいが、何日か続ければリズムが出来てくる。

9.昼寝はしない
夜に眠気をためることが大切だ。どうしても辛抱できないならば、なるべく早い時間に、15分だけ。

10.どうしても眠れないなら、病院で相談しよう
薬は害にもなるが、眠れないで気を病んでいくのとどちらが良いかは悩むところだ。生活の質が何より大切なのだ。思っているほど薬は怖くないので、補助として使うことは選択肢の一つだ。