包み隠さず精神科

現役精神科医が精神医療の内情を、包み隠さず話します

医学部に受かる勉強法

モチベーションにコストをかけろ

私は市営住宅生まれの市営住宅育ちで、お世辞にもお金を持っているとは言い難い家で生まれ育った。お金が無いので大学では奨学金をMAX10万円で6年間借りていて、それでも足りず授業料も何度か滞納したこともあるぐらいだ。
そんな家に生まれた私だが、受験生の時は毎日500円を握りしめて駅前のタリーズコーヒーへ足繁く通っていた。当時の私には毎日500円というのはとても高額な値段だったが、躊躇うことなく毎日通った。なにしろ家では勉強に集中出来ないからだ。図書館へ通ったりする友人もいたが、私は喫茶店派だった。「500円で3時間勉強できるなら安い」が持論だった。

最近パソコンのゲームはsteamやepicなんてサイトでまとめて売られている事が多い。それらのサイトではよく無料でゲームを配ってくれる。この年末年始もepicが山ほど無料配布をしてくれていて、一応全部手に入れてみる。しかし、こういった無料で配られたゲームは、なかなか手につかない。いわゆる積みゲーになってしまう。勉強と同じなのだ。金を払うから、やる気が出る

むかしこんな話を聞いたことがある。①栄養ドリンク②安売りの栄養ドリンク③飲まない の3群でテストをしたところ、①③は同等の結果となったが、②は他よりも低い点数だった、というものだ。金を払ったかどうかというのは、プラセボとして大いに関係してくる。

500円で3時間勉強できるなら安い。是非この感覚を持っていてほしい。「勉強する気になる」というのは、何にも代えがたい大切なものだ。そのためなら多少のコストは惜しむべきではないと思う。

 

・まずは教科書を一から読め

私は一浪している。現役の時の偏差値は60ぐらいだったと思う。一浪してから時間があったので、数学の教科書を一から読み込むことにしてみた。やり始めた当初は時間の無駄に思えたがともかく、一年生の教科書から順に読み込んでいった。驚くべきことに、偏差値60でも教科書の中で理解できていない部分がいくつもあった。数学は得意だと豪語していたにも関わらずだ。
すべての問題は、教科書の上に成り立っている。最低限教科書が理解できていないと、絶対に解けない。医学部を目指すなら、一問たりとも落とすわけにはいかない。まずは教科書を一からしっかり読み込んで、自分が理解していない部分を洗い出すといい。かけた時間以上に効果がある。

 

・過去問をやり込め

教科書を読んでいる時間が無い?じゃあ仕方がないので、残った時間は全部過去問に費やそう。「やりこむ」というのは、解いて答え合わせをしてお終いではない。そのあと復習をしてもまだ終わらない。もう一度まったく同じテストを、一から全部解きなおせ。答えを覚えていてもいいからとにかく、ちゃんと計算して一から解きなおせ。解きなおしたら96点だった?残念、もう一度。100点が取れるまで、永遠に繰り返すのだ

この方法は特にセンター試験で有効だ。5年分も100点がとれるように解きなおしていけば、8割は取れるようになっているだろう。

医者になって、学生の問題を作る機会が時々あるようになった。問題を作る立場になれば分かるのだが、とにかくメンドクサイ。テストを作るのがメインの仕事の人なんていないのだ。ほかの仕事をしながら、片手間で作らないといけない。さらに、若者がどれぐらい理解できているのかも分からない。解けない問題を出すわけにもいかないし、かといって簡単すぎる問題を出すわけにもいかないし。一から作るのは面倒だし、間違いがあったら大変だし。その結果、過去問を参考に似たような問題を作る事になるのだ。2次試験ならまだしも、とんでもない人数が受けるセンター試験で、無茶な問題を作るわけにはいかないのだから、ほとんどの問題は過去問の焼き直しになる。

騙されたと思って、過去問を満点がとれるまで繰り返すといい。答えを導き出す過程までちゃんと考えるんだぞ、ズルするなよ。そうしたら、驚くほど点数が上がるだろう。

 

 

数を解くのも大事だし、見たことが無い問題をとくのも大事だが、一度見た問題を解けるようにする事のほうが、もっと大事だ。同じ問題なら必ず解ける状態を目指したい。

ちなみにここで、医学部と東大で違いが出てくるように思う。医学部はすべての科目を満遍なく解ける状態が望まれる。センター試験の配分が多い学校は特にそうだろう。「苦手がない」事が必要だ。一方で東大になると、「突出した得意」が求められる。東大を目指すなら、私がいった方法よりも、良いやり方があるだろうなと思う。