包み隠さず精神科

現役精神科医が精神医療の内情を、包み隠さず話します

過呼吸はどうすればいいか

過呼吸とはなんだろうか。Wikipediaで調べるとこう書いてある


過呼吸(かこきゅう、英: Hyperpnea)とは、必要以上の換気活動をおこなうこと。 その結果として動脈血中の酸素分圧が上昇、炭酸ガス分圧が低下し1回換気量が増大する。 初期状態は低酸素症と似ており、程度が強くなると手足や唇の痺れや呼吸困難、頭のふらつき、息苦しさ、眠気、激しい耳鳴りや悪寒をきたす。


難しい事が書いてあるので頭がクラクラしてくる。ようは、息をしすぎて苦しくなる状態のことを言う。


いっぱい息をする二酸化炭素がめちゃくちゃ体から出ていく→脳が「二酸化炭素減りすぎたから呼吸数減らすね!」と司令を出す→息がしづらい!死ぬ!と感じて一生懸命息する→二酸化炭素が体から出ていく→(繰り返し)
この負のループにハマると過呼吸発作になるといわれている。
過呼吸になると鼻の先や手足が痺れてきて、身体がおかしくなっている実感が余計にパニックを引き起こす。



この恐ろしく苦しい過呼吸に一体どう対処すればいいのだろうか。
理由を考えれば対策は導き出せる。息をしすぎるから苦しくなるのだ。つまり、治すには「息をしなければいい」
なんて書くと簡単だが、人間として生まれたからには息をしないわけにもいかない。そもそも勝手に息をしてしまうのが症状なのだから困ったものだ。


どう調べても出てくる事だが、まずは安心するところから始めよう。人は緊張したり不安に思うと呼吸が早くなる。戦闘態勢になると呼吸が早くなるのだ。早い呼吸は二酸化炭素が減ってしまうので嬉しくない。
頭にしっかりと言い聞かせよう。過呼吸で死ぬことはないし、止まらない過呼吸はない

過呼吸若い女性に多い。過呼吸は若さの証明だ。
「どうして私だけこんなに苦しまないといけないのか」なんて神を恨んだりもするけれど、実は全然私だけではない。あなたよりもっと若い小学生なんて、だいたいみんな過呼吸になっている。お母さんに怒られて大泣きしたあと、しゃくりあげている子供を見たことがないだろうか。
「おかっ…あさっ…!!ごべっっ…んなっっ!さいッ…!!」なんて涙を拭いながら喋っているあれ。あれこそが過呼吸だ。そのまま死んでいった友達を見たことがあるだろうか。
小さい頃泣きじゃくって、そのあとどうなったか思い出してほしい。
時間がたって、お母さんが許してくれて、他のことに気が散って、気付いたら治まっていてケロッと忘れているこれが理想的な治し方だ。
わざわざ薬を飲む必要はないし、ましてや救急車を呼ぶ必要なんて全く無い。

大切なのは、安心することだ。過呼吸が起こったとき周りの人が「やばいやばい!どうしう!いやこれやばいな!!!死ぬかも!救急車よんだほうがいいかな!!ちょっと人呼んできて!!!」なんて慌てふためいていたらどうだろうか。過呼吸が起こってなくても心配になって、こっちまで落ち着かなくなりそうだ。
こんなふうに、自分で自分をまくし立てていたりしないだろうか

理想的なのはお母さんが包み込むような安心感だ。「どうしたの?大丈夫、もう怒ってないよ。心配いらないよ。」こんな声かけで、子供の過呼吸はおさまっていく。
周りの人もさることながら、一番身近な自分がそう声掛けしてあげられたら、過呼吸は早く落ち着いてくることだろう。間違っても「早く治って!!まだなの!!くるしい!!はやく!!どうして!!!!」なんて囃し立てないようにしたいところだ。その声掛けで人は落ち着かない。


過呼吸中何が起こっているか。過呼吸なんていうが、実際よく観察してみると、過吸になっていることがわかる。泣いている子供はふーふー言わない。ひっくひっくと吸い込んでいるのだ。
過呼吸は多く吸い込んだしまうので、吐き出すことを意識したい。なるべくしっかり、肺の空気を全部吐き出すイメージで。途中で勝手に吸ってくれるのでなにも心配はいらない。こっちとしては息を吐くことに集中しよう。死ぬことはないし、手のしびれだって二酸化炭素がふえれば直ってくるから大丈夫。

お母さんのように大丈夫と声掛けしながら、ゆっくり息を吐ききるよう意識する。この2つが早く落ち着くコツである。